2020年9月4日金曜日

今日の二句  その61(再度 切る⑤)

 数十年に一度の勢力を持った台風が近づいています。第二室戸台風と同じくらいの勢力だとか。九州の会員の皆様には、特にご注意下さい。被害が無いことをお祈りしています。今週は水曜日の須磨句会、木曜日の本部例会、金曜日の五葉句会と3日連続の句会。一日置いて日曜日は汀子邸での下萌会。10月からは第1土曜日に灘文化センターの俳句講座が復活するので、5日連続の句会になり、忙しくなります。

先程、摩耶山天上寺の伊藤浄厳貫主様から電話があり、10月19日に計画しておられた第29回摩耶山俳句大会を、コロナウイルス感染症の防止のために来年に延期するとのご連絡を頂きました。残念ですが、止むを得ません。来年を楽しみに待ちましょう。さて、今回も「切れ」の勉強です。

受けるより与えるといふ爽やかさ

この句はどこで切れているでしょう。下五の「爽やかさ」で切れている様にも思われますが、実は「爽やかさ」を説明しています。こんな爽やかさですよ、という説明です。この下五を「爽やかに」としてみたらどうでしょう。「与えるといふ」で切れませんか。最後の一文字を変えるだけで、句がきびきびと動き出したのが分かりますか。これが「切れ」の効果です。

       例)受けるより与へるといふ爽やかに

爽やかに警策鳴りて座禅堂

先ず「爽やかに警策の鳴る座禅堂」という初案が出来ました。しかしこれでは座禅堂の説明ですので、「警策の鳴る」を「警策鳴りて」と切りました。これで警策が鳴ったことが説明できました。しかしここで終ってはいけません。作者は、本当は「爽やかに」鳴ったということが言いたいのです。ならば、「や」で切るという、ほんの小さな勇気を持ちましょう。

       例)爽やかに鳴る警策や座禅堂


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