2020年9月9日水曜日

今日の二句  その62(止める①)

 昨日、すみれ句会の帰りに、灘区文化センター(旧六勤)に寄って、久し振りに館長と句会担当者にお会いしました。館長のお話では「先生の講座は放っておいても満員になりますので、特別に24名収容できる部屋を用意しました。既に19名の応募があります」とのことです。未だ余裕がありそうですから、ご希望の方は申し込んでください。

今日からは暫く、止め方について学びましょう。句の止め方なんか、何でもよいのでは、と思われるでしょう。ところが、ある俳句の大会の選者をお受けした時の事です。選者6名が選をして順位を決めました。最後に2句が残り、どちらかを大会大賞に決めることになった時です。有る高名な選者が「この句は連用止めだよ」と発言され、その瞬間にこの句は候補から外れました。止め方が句に合っていないと判断されたのです。「体言止め」「連用形止め」「終止形止め」「切字止め」「に止め」「て止め」「を止め」等、様々な止め方がありますが、それぞれの句に合った止め方が有るのです。

すだれ越し色とりどりの朝顔や

夏バテの吾に応援朝顔や

ある俳壇に出された句ですが、いずれも「や」で止める、いわゆる「や止め」の句です。俳句の初心者に多い止め方で、俳句には「や」を使うものだという思いが有るのでしょう。疑問詞として「や」を用いて止める場合は別ですが、詠嘆の意味での「や止め」は避けた方が良いでしょう。

  疑問詞の例  黒きしみつとあり五郎兵衛柿とかや   虚子

         畑打って飛鳥文化のあととかや     同

一句目は (例)朝顔の色とりどりやすだれ越し (但し、すだれも夏の題です)

二句目は (例)夏痩せの吾を応援牽牛花

とすれば、「や切れ」は解消できます。矢切の渡しは有名ですが、「や」止めの句は避けましょう。

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