2020年11月8日日曜日

送り仮名について

俳句を詠むためには、幾つかの約束事があります。五・七・五という定型を守ることと、季題を用いることは絶対の約束事で、これが守られなければ俳句とは呼びません。様々な約束事の一つに、文語体で詠むというのがあります。流派によっては口語体で詠むこともありますが、私達のように伝統俳句を学ぶ者は、文語体を駆使して詠みます。

面倒だから口語体にしようとか、両方を適当に都合よく使えば良いという人もありますが、我が「九年母」は文語体を強固に守っています。しかし、そのことをうるさく言う人がここしばらく無かったので、文語体が使えていない方がおられます。再度見直して、しっかり使えるようにしましょう。様々な規制や約束に縛られながらも優れた作品を生み出そうとする努力は、必ず成果となって報われます。高い山ほど登頂感、達成感が大きいと言います。頑張りましょう。

     戸惑いの異常気象や冬構

この句は、戸惑ひの異常気象や冬構     としましょう。

     学舎へ通う幸せ秋晴るる

この句は、学舎へ通ふ幸せ秋晴るる     とします。

     落葉踏むで登る百段村社

この句は、落葉踏んで登る百段村社     が正しい。 

なお、この句は「踏みて」が撥音便によって「踏んで」と変化したもの。文法的にはこれでも正しい用法です。

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