2021年7月29日木曜日

たかが助詞されど助詞

 今日の野鳥句会は、場所を変えて灘区文化センターで開催されました。制度が変わる前は六甲道勤労市民センターと称していましたが、野鳥句会の皆さんが俳句人生をスタートした会場です。句会が終わってから、俳句四季7月号を持って館長さんにお会いし、田中順子さんや片岡橙更さんの活躍振りをお伝えしました。

さて、今日の句会で私は次の句を投じました。

      羽根飾付けし帽子や夏の山    

この句、初案では、羽根飾付きし、でした。

      羽根飾付きし帽子や夏の山

今朝4時半頃、羽根飾付きしでは見たままの景ではないのか、という夢でを見ました。そして、アッと叫んだところで目が覚めました。床の中で推敲を始めた私は、「付きし」だと他人や自分の帽子を見ているだけの感じがあることに気付いたのです。ならばどうするか。「付けし」としたらどうだろう。付けるという動詞が効いて来て、見たままという表現から一歩踏み込めるように感じました。そこで、掲句の形にして、句会に出しました。

     菜を洗ふ前に蛍が二つ三つ

     菜を洗ふ前を蛍が二つ三つ

助詞の使い方について、しばしば例に出される句です。出典は良く分かりませんが、助詞「に」と「を」との違いが良く出ている例句です。たかが助詞されど助詞。使い方の違いを味わってみましょう。   

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