2023年9月30日土曜日

住吉大社観月祭

 昨晩は中秋の月。大阪の住吉大社では観月祭が斎行されました。献詠された短歌と俳句の中から入選となった作品を、第一本宮の神様へ報告する奉告式と、宮司による表彰式が斎行されました。九年母会の今年の入選者は次の通りでした。

  地賞  墨磨るや硯へ月のひと雫     岩水ひとみ

  佳作  静かさや月下に映ゆる神の森   野間田芳叢

   同  思い出のページに綴り今日の月  尾﨑五郎

   同  健やかに今宵の月を仰ぎけり   杉浦美智子

このうち表彰式には参加されたのは杉浦さんだけで、他の方は残念ながら都合が悪くご欠席でした。俳句の選者も参加できたのは古賀しぐれさんと私の二人だけでした。昨年の中秋の名月は9月10日、今年は9月29日で、お月様の都合で斎行日が決まるために、なかなか都合が合わないのが実情です。一つ面白いと思ったのが、短歌の13名の入選者の住所が福岡県や神奈川県、熊本県や福井県など全国11府県に広がっているのに対し、俳句の入選者は大阪府が7名、兵庫県が5名、奈良県が1名と、近畿地方に集中していることでした。短歌は全国版、俳句は近畿版といった感じですが、不思議な現象です。

朱の反り橋の海側に客席が設けられ、神職、選者、入選者、一般参加者の順で席に着きます。反り橋の上では、先ず宮司が詠まれた短歌が朗々と吟詠されました。続いて入選の短歌が同じように吟詠され、全ての入選作品が披露されるのに20分ほど掛かりました。ところが俳句は二度読み上げられるだけで、全部の入選作品を読み終わるのに要する時間は5分。あっという間でした。短歌と俳句の歴史的な位置づけというか「身分の違い」を見せつけられた、悔しいひと時でもありました。

披講の途中に満月が第一本宮の上空に現れ、境内を照らし出すと雰囲気は一変します。短歌・俳句の披講式に続いて、保存会により住吉踊りが奉納され、天王寺楽所により舞楽が奉仕されました。奈良・平安時代の雅な催しを、ゆったりとした気持ちで楽しめます。来年は是非入選して指定席でご覧下さい。各選者に招待席が若干ありますので、私あてご連絡頂ければお世話させて頂きます。  


    

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