句会の選をしていると「かな」の使い方の誤りが多く見つかります。投句を借用して「かな」の句の実例を幾つか例示しますので、どちらが良いか、考えてみて下さい。
1.①仲見世の客の賑はひ小春かな
②仲見世の客の賑はふ小春かな
2.①母の味家伝となりぬ雑煮かな
②母の味家伝となりし雑煮かな
3.①塗椀を両手でかかえ雑煮かな
②塗椀を両手でかかふ雑煮かな
私はどの句も②の使い方の方が良いと思いますので、①の句は頂きません。如何でしょうか。
和歌の事を敷島の道、連歌の事を筑波の道と上品に呼ぶのに対して、俳句は「やかな」の道と呼ばれます。随分雰囲気が違いますが、「や」・「かな」は俳句の切字の代表格ということでしょう。それだけ頻繁に使われているのに、「や」に比べて「かな」の使い方はぞんざいです。
「かな」が正しく使えれば、入選率が飛躍的に向上します。正しい使い方を心掛けましょう。
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