2024年2月7日水曜日

「かな」の使い方

 句会の選をしていると「かな」の使い方の誤りが多く見つかります。投句を借用して「かな」の句の実例を幾つか例示しますので、どちらが良いか、考えてみて下さい。

1.①仲見世の客の賑はひ小春かな

  ②仲見世の客の賑はふ小春かな

2.①母の味家伝となりぬ雑煮かな

  ②母の味家伝となりし雑煮かな

3.①塗椀を両手でかかえ雑煮かな

  ②塗椀を両手でかかふ雑煮かな

私はどの句も②の使い方の方が良いと思いますので、①の句は頂きません。如何でしょうか。

和歌の事を敷島の道、連歌の事を筑波の道と上品に呼ぶのに対して、俳句は「やかな」の道と呼ばれます。随分雰囲気が違いますが、「や」・「かな」は俳句の切字の代表格ということでしょう。それだけ頻繁に使われているのに、「や」に比べて「かな」の使い方はぞんざいです。

「かな」が正しく使えれば、入選率が飛躍的に向上します。正しい使い方を心掛けましょう。

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