今日は午前中六甲道の入門講座、午後は初級講座がありました。両講座を通じて、いくつかの問題点がありましたが、その一つが、字余りの句が多かったことです。特に、中八の句が、両講座を通じて11句もありました。それも、ベテランの多い講座に。全80句のうちの一割が中七の字余りでした。
中七の字余りは、俗に言う帯の緩んだような感じの句になります。どちらの講座でも、中七はどんなことがあっても七音を厳守しましょう、と指導して来ましたが、それでも字余りが絶えません。特にベテランの句に中七の字余りが多いというのは残念なことです。
伝統俳句の基本は有季定型。季題を必ず用いることと、五・七・五という定型を守ることです。この定型という基本が崩れると俳句になりません。五・七・五というリズムは、私たちの祖先が、もっとも心地よいリズムとして守り継いで来たものです。自由律という主張もありますが、私は俳句に自由律はないと考えています。俳句ではなく短詩の一種だと思います。
ならば何故、このリズムが守れないのでしょう。講座で口を酸っぱくして、毎回繰り返して申し上げていますが、守られない。特にベテランの方が守らない。もう一度言います、中七は必ず七音で。どうしても余る場合は、句またがりで処理するか、全体の構成の中で見直します。
中八の例 石仏に 目深く冬帽 着せてあり
処理した例 冬帽を 目深に着せて 石仏(いしぼとけ)
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