日本伝統俳句協会の機関誌「花鳥諷詠」に『花鳥諷詠選集』という俳壇があります。毎月俳句が募集され、それを二人の選者が選をし、それぞれ特選5句、入選60句を発表しています。選者は機関誌の編集部から都度委嘱されます。
この度、9月号の選の依頼があり、約900句の選が終わりました。投句を拝見しますと、日本伝統俳句協会の会員ですから上手な方が多いのは当然のことなのですが、頭で詠んだ句が多いのが気になりました。「風が吹いたら花が散る」というような観念で詠んだ句が多いのです。毎月のことですから、ベテランの方々が手すさびのように詠んでおられるのでしょう。私は、できるだけリアルな、事物をしっかり観て詠んだ句をいただくようにしました。結果は9月号をご覧下さい。
九年母会が百周年祝賀行事の一環として記念俳句を募集しましたが、この度すべての句の選が終わりました。応募句は特に祝賀に関するものでなくても良いのですが、祝いの場にふさわしい俳句を寄せるのが常識です。祝いの場であればめでたい句を、お悔みの場であればそれにふさわしい句を投ずるのが俳人の常識です。お祝いの場であるのに「斬られた猫の首」の句を出すのは常識的ではありません。何でも良いから出せばよい、というものではありません。皆が協力してイベントを盛り上げることが大切です。
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